おうちでできるお手入れまとめ

 

アコーディオンは外側も中身も精密な造りをしているので、どこまで自分でメンテナンスしていいのかよくわかりませんよね。今回はおうちでもできる簡単なお手入れ方法をまとめてみました。

     

目次

  • 楽器の表面を拭く
    • ベース部をクロスでカラ拭きする
    • 鍵盤やボタンをカラ拭きする
    • アコーディオン用除菌クリーナー「アコ★クリン」で拭く
  • ホコリやチリをとる
    • ボタンのすき間のホコリをとる
    • 蛇腹の間のホコリを除去する
  • 谷口楽器オリジナルクロス
    • ハイパーミクロクロス(小)
    • ハイパーミクロクロス(大)
  • 蛇腹内の空気を入れ換える
    • 蛇腹の交換は簡単ではありません。

     

楽器の表面を拭く

ベース部をクロスでカラ拭きする

まず最初に気になる部分は、左手のベース部(ベースバンドの下)の汚れです。一番動きが激しく、腕に触れている面積も多い場所ですから、手垢や指紋が付きやすいです。こちらは、演奏の前後などに乾いたクロスでカラ拭きしてください。

・綿製などのやわらかいクロスなどを使って
・アルコール、洗剤、化学ぞうきんなどは、変質する原因になりますので、使用しないでください。
・汚れがひどい場合は、水で濡らした布をかたく絞り、汚れを拭き取ったらすぐにカラ拭きしてください。

 

鍵盤やボタンをカラ拭きする

右手側、鍵盤やボタンの部分も基本的にはカラ拭きをしてください。
・乾いた柔らかい布、綿製クロスでカラ拭き
・アルコール、洗剤、化学ぞうきんなどは、変質する原因になりますので、使用しないでください。

    

アコーディオン用除菌クリーナー「アコ★クリン」で拭く

アコーディオンのメンテナンスに最適な除菌クリーナー、トンボ楽器製『アコクリン』が発売されました!アルコールが使用できないセルロイドや樹脂にもご利用いただけます。鍵盤部にも使用できるのは嬉しいポイント。

標準価格 880円(税込み) 内容量100mL (約650回噴霧可能)

https://shop.taniguchi-gakki.jp/products/detail.php?product_id=6051

  

普段おこなうお手入れとしては基本的に乾拭きしかなかったアコーディオンですが、学校やお教室など、同じ楽器を複数の方が利用される場所ではこういった除菌用品があると心強いですね。

なお、アコーディオン以外にも、樹脂製楽器全般にご使用が可能だそうです。(界面活性剤入りですので、鍵盤ハーモニカの唄口などの口をつける部分にはご利用できません。)

使用方法
楽器用クロスなどにスプレーして楽器を拭いてください。ノンアルコールなので揮発しません。残った水分は最後に乾いたクロスで拭き上げます。

注意点
界面活性剤を使用していますので、色のついた布は色落ちする場合があります。楽器への色移りを防ぐためにも白いガーゼや楽器専用クロスをご使用ください。

店の試奏用楽器の除菌にも使っています。

    

ホコリやチリをとる

ボタンのすき間のホコリをとる

アコーディオンのボタンのすき間や切替えスイッチのすき間のホコリ取りには、やわらかい毛のブラシがおすすめです。硬さとしては、メイク用のブラシくらいやわらかいものが◎。モフモフすぎると、ボタンの付け根に毛が絡まってしまうことがあるので、筆タイプの方がオススメです。

手汗などの水分によって汚れが固まって付着してしまうこともあるので、その場合は先の細い綿棒などを使って汚れを除去してください。

    

蛇腹の間のホコリを除去する

画像5を拡大表示

アコーディオンの蛇腹の間はチリやホコリが溜まりやすいので、たまにこういう感じのハケを使って溝をサッサッとするとキレイになります。

上記で紹介したボタンのすき間用の物ですと、やわらかすぎて汚れが取りづらいので、蛇腹の場合は硬めの方が良いです!弊店のものはかなり硬めで、ペンキ塗る用のハケくらい丈夫なものを使用してます。あと蛇腹のスキマは結構細くて、しかもそこに挟まったホコリは取りづらいので、筆先は細い(平たい)のがオススメです。

   

    

谷口楽器オリジナルクロス

 ハイパーミクロクロス(小)
画像を拡大表示
ハーモニカのメンテナンスにも使われています。31×31(cm)。使いやすいサイズ。

     

 ハイパーミクロクロス(大)
画像を拡大表示
ミクロクロス小と素材は同じですが、大きさが60×70(cm)とBIGサイズ。アコーディオンの鍵盤部とグリルもカバーできます。

     

 PIGINI 75周年記念デザインのオリジナルクロス(完売)
画像10を拡大表示
2020年にお配りしていたクリスマスと同じものです。デザインが素敵で大きく使いやすいです。

   

   

   

蛇腹内の空気を入れ換える

これ、地味ですが重要なポイントです!アコーディオンを長持ちさせるための秘訣といっても過言ではありません。アコーディオンは呼吸する楽器です。

画像7を拡大表示

  一番いいのは毎日音出しをすることなのですが、場所や時間的になかなか音出しが難しい方も多いと思います。なので蛇腹の開閉(≒換気)だけでもしていただけると、色々なトラブルが未然に防げます。

アコーディオンには必ず「空気ボタン」が付いていますので、そこを押しながら蛇腹を開閉すれば音は鳴りません。また、蛇腹を開閉しなければ鍵盤やボタンを押しても音が出ないので、たまにカタカタ触るのもいいです。本当に長い年月弾かないと、鍵盤も固まることがあります。

     

画像6を拡大表示

アコーディオンを長期間放置すると起こるトラブルとは

  • 楽器内に湿気がたまってカビが生える
  • 楽器内やすき間に細かいホコリがたまる
  • 中のリードの笛皮やバルブのフェルト等が張り付いて音が出なくなる

などなど。長期間アコーディオンを弾かないまま置いておいてしまうとよく起こるトラブルです。起こってしまってからでは、取り除くのはやっかいです。修理、張り替え、お掃除など・・・後からやるのは大変です。

しばらく弾いてないな~と思ったら時々「アコーディオンの蛇腹内を換気する」こと、是非覚えておいてください。

   

ちなみに、

蛇腹の交換は簡単ではありません。

「古いアコーディオン、蛇腹がくたびれてきたから蛇腹だけ交換して使おう!」

と、考えた事のある方、いらっしゃると思います。しかしこれ・・・なかなか難しいです。

同じように見えるアコーディオンの蛇腹ですが、それぞれみんな大きさも形も違います。基本的にボディに合わせて蛇腹を作っているので、同じ「ような」ものはたくさん存在しますが、蛇腹のつなぎ目の形状が全く同じではないんです。同じ機種でも年代によって微妙に違ったりします。

画像6を拡大表示

同じものが絶対に存在しない、とはいいませんが、適合する蛇腹を手に入れられる確率はかなり低いです。似たようなものが手に入ったとして、無理やりくっつけてもエア漏れの原因になったり、操作性が悪くぎこちない弾き心地になる確率が高いので、オススメはしておりません。

鍵盤部もボタン部も蛇腹も、バランスよくこまめにお手入れしておくことが大切というですね。

   

まずは何かひとつできることから是非やってみてください。参考になれば幸いです。

では、また!