目次
- コンサーティーナの中身
- コンサーティーナのリード(BASTARIの場合)
- コンサーティーナの魅力と弱点
- よくあるトラブル 音が出なくなる
- ネジの頭の形に注意
- コンサーティーナの中身
- リードのあげみ調整
コンサーティーナの中身
「アコーデ
アコーディオンの音の鳴る仕組みを説明するとき、「アコーディオンの中には、ハーモニカがたくさん入っているような感じなんですよ」と言うことがあるんですが、この二つの楽器は音の鳴る仕組みが同じなんですね。蛇腹の押し引きは、ハーモニカの吹き吸いと同じ、とイメージすると分かりやすいかと思います。
実はコンサーティーナも原理は同じです。使われているリードの材質や大きさは異なりますが、ハーモニカと同じように、空気の流れによって音が鳴る金属のリードが入っています。
コンサーティーナのリード(BASTARIの場合)
谷口楽器で取り扱っている「BASTARI(バスタリ)」というイタリアのメーカーの場合は、アコーディオンと同じリードが使用されています。
アコーディオン用のリードは、コンサーティーナ専用のリードに比べると量産されているので、その分少し安く仕入れることができます。
イタリアから入荷した時点で、調律が狂ってしまっていることも多いので、店頭に出す前に必ず全てのコンサーティーナを調律します。アコーディオンと同じような要領でチューニングし、調整が必要な個所があればその時に修理もします。
コンサーティーナの魅力と弱点
ハーモニカもそうですが、素朴な音色で簡単に音が出せる小型楽器というのは比較的入門しやすいという利点があるのですが、その代わりに壊れやすいという点も持っています。
しかし演奏ができなくなるほどの故障が多いというよりは、ほんの数分で対処できるような簡単なトラブルの方が多いので、ユーザー自身で簡単なメンテナンスは出来ることが必要な楽器なのかなと思います。
よくあるトラブル 音が出なくなる
先日店頭のコンサーティーナを弾いていたら、ボタンを押しても音が出ない個所がありました。その際どのように調整したかをご紹介したいと思います。
BASTARI A-48 Tenor(クロマチック式)コンサーティーナ
蛇腹の押し引きで同じ音が出る機種です。
こちらの上から2番目のラの押し音が出ていません。
もし木くずやごみなどが中に溜まってしまって音が出ないという場合ですと、蛇腹を強めに何度か押し引きすると直る場合があります。
しかし蛇腹を強めに押し引きしても直りません・・・。中を開けてみます。
ドライバーでネジを外します。
お持ちのコンサーティーナをまだ開けたことがない方は、簡単なので是非やってみて下さい。ドライバーひとつでできますよ!
ネジの頭の形に注意
コンサーティーナのネジの頭の種類はいくつかあるので注意です。プラス、マイナス、だけでなく、ポジドライブというネジが使われている物もあります。日本ではあまり見かけませんが、ヨーロッパには多いんだとか。よく見てみてくださいね!
コンサーティーナの中身
どのようにリードが配置されているかや、ボタンを支えるシャフトの向きなんかは、メーカーによって違ったりします。バスタリのクロマチック式はこのように開くんですね。
リードのあげみ調整
音が出ない原因のひとつに「リードの張り付き」があります。金属疲労によりリードが折れる直前でなければ、ヘラでリードを軽くはじくだけでこの問題は解決します。
※逆側のリードを調整したい場合は、サブタ皮(フィルムのようなもの)をめくって、そこからヘラでリードを押し出すような形でアゲミを調整します。
ヘラはハーモニカ修理工具の中に入っています。
再び音を出してみます
カンタンに直りました!
ラの押し音がクリアにでるようになりました。簡単でしたね!「リードのあげみ調整」は、ハーモニカでもよく行う作業です。しばらく弾いていなくてリードの立ち上がりが悪いなと思ったら、リードを軽くはじいてみてください。元の音色が取り戻せると思いますよ。
※金属疲労によりリードが折れた場合、あるいは折れる直前の場合は明らかに不明瞭な音がします。その場合はリードをはじくだけでは直りません。リードの取り換えが必要ですので、専門店へ修理をお願いしてください。
参考になれば幸いです。
では、また!