谷口楽器に入社して1年経ったので、ここまでの振り返りや感じたことをつらつら書いてみる。

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こんにちは、アコーディオン好きな楽器店員の島田です。

私は現在お茶ノ水にありますアコーディオン専門店「谷口楽器」で働いています。このブログはアコーディオン愛好家の方々の役に立つような情報や関連する情報など、コンテンツを重視して記事を書いてきました

入社してからちょうど一年たち、楽器店員の立場だからこそ感じることや他のお店では得られない経験も徐々に増えてきました。いつかは個人的な意見や感想を中心にしたブログを書いてみたいなと思っていたので、この機にひとつ書いてみることにしました。今回はお役立ち情報はあるかわかりませんが、ご興味ある方はお付き合いください。

  

  • アコーディオン専門店というニッチな楽器屋さんで働いて
  • 奇跡的なタイミングで入社
  • 中古アコの回転率がめっちゃ高くておどろいた
  • アコーディオンがとっても流行っていた時代
  • 受け継がれなかったアコーディオン 
  • アコーディオンを選ぶ決め手
  • アコーディオンとは一期一会 
  • 今後の目標
  • 最後に

  

アコーディオン専門店というニッチな楽器屋さんで働いて

アコーディオンはピアノやギターのようにメジャーな楽器ではないし、世界的に見てもアコーディオン専門店というのは少ないです。特定の地域にメーカーの工場やショールームはあったりしますが、ほとんどが家族経営で小規模です。

昭和の時代、日本にもアコーディオンを取り扱う楽器店はたくさんありましたが、現在は数店舗しか残っていません。その中でも、谷口楽器は歴史もあり(1935年創業)、ハーモニカとアコーディオンに興味を持つ人は必ず目にする店名として存在しているのではないかと思います。時代と共に紆余曲折色んなことがあっただろうし、限られた人数の従業員で何年も続けていく環境はなかなか大変なことも多かったと思います。

  

奇跡的なタイミングで入社

どんなにアコーディオンが好きだったとしても、どんなに上手に演奏できたとしても、谷口楽器に入社できる確率は少ないでしょう。空きが無ければ人員募集もされないし、大企業が当たり前にやっているようなビジネススタイルは難しいと思われます。

作業のほとんどが職人作業なので、一度入社したら技を習得するまで年数がかかります。それゆえ先輩たちの勤続年数も長いです。人の入れ替わりもあまりないので、人員募集のタイミングも10年単位というポジションもザラにあります。ということは、私が転職を考えていたタイミングで谷口楽器の募集に声をかけてもらえたことは奇跡的なタイミングだったなと思うのです。

  

中古アコの回転率が高くておどろいた

アコーディオンって単価が高いから、どうしてもよく売れるのは新品よりもお値打ちな中古楽器です。中古楽器って本当にピンキリで、前の所有者の方が大切に使用していればまだまだ使えるのですが、手入れがあまりされていなかったり保存方法が悪いと(ライブハウスに置きっぱなしとか、タバコのヤニだらけとか)、さすがに修理しても使えないんじゃないかなぁというレベルのものもやって来たります。

ちなみに谷口楽器に並ぶ中古楽器は中古でもアフターサービスは対応します。そもそも演奏に耐えられないレベルのアコーディオンは買い取り不可にする場合が多いので、店頭に並んでいるものはすぐに演奏ができるような状態に回復した楽器ということになります。

しかし、よくネットオークションサイトなどで安価なアコーディオンが並んでいて、購入後トラブルがあったなんて話もよく耳にします。アコーディオンは、写真だけではわからない情報が多すぎるんですよね。中身とか、使用感とか、臭いといか・・・。文章でいくら書いても伝わらない部分があります。

  

アコーディオンがとっても流行っていた時代

中古楽器の製造年はさまざまで、何十年単位で異なります。アコーディオンの全盛期が1960年代ごろだったそうなので、やってきたアコーディオンが購入してから50年以上も経っているなんて機種はまだまだあります。

今アコーディオンを買って弾いてみようと思う人の想像を絶するほど前の時代から存在し、長い年月を経てそこにあるので、保存状態の悪さによってはトラブルになりやすい楽器だと思います。

  

受け継がれなかったアコーディオン 

最近悲しいのは、歳をとったアコーディオンが谷口楽器に持ち込まれる理由の多くが「持ち主が亡くなられたから」ということ。たまーに戦前祖父が使っていた(らしい)アコーディオンを売りたいとご来店される方もいるのですが、残念ながら売り物にはできないレベルなので買い取ることができないです。

息子さんや娘さんの代には弾く人が居なかったのでしょうね。これもまた、劣化のひどいアコーディオンがオークションサイトに出回ってしまう理由の一つでもあると思います。

今後使えるか、売れるか、もう寿命をまっとうしたものか・・・その楽器によって全然違います。これはネット上の写真を見るだけではなかなか判断がつきづらい点だと思います。

私もアコーディオンを愛好する一人として、ネットでの情報源の貴重さはすごくわかりますので、自分が楽器店のHPに載せる際は、弾いた時の感じや、楽器自体の状態をなるべく演奏者目線で言語化するよう心掛けております。それでもやはり実際に見て触って抱えてみないとわからないことは多いのですが・・・。

  

アコーディオンを選ぶ決め手

私はまだ楽器店員歴1年とはいえ、それなりに色々なアコーディオンを見てきてました。それでも実際同じ機種のアコーディオンに出会うことはほぼありません。同じ機種だったとしても、リードセットが違ったり、ボディの色が違ったり、もちろん状態、作られた年代も違います。

良い楽器(自分に合う楽器)に出会うことは運と巡り合わせ、人の出逢いと一緒で一期一会かなと思います。つまり、直感で「イイ!」って思った楽器を買うことも、意外と大事な要素なんじゃないかなぁと思うのです。もちろん知識があることに越したことないんですが、人付き合いと一緒で、自分が「何となくこの楽器が良さそう!」と思った楽器と付き合っていくのが一番上達するのではないでしょうか。

  

アコーディオンとは一期一会 

皆さんアコーディオンを選ぶ際は、それはそれは大変な熱意と覚悟をもって楽器屋さんへ足を運ぶことと思います。憧れのミュージシャンと同じ楽器を使ってみたいとか、ライブで観たようなアコーディオンを持ってみたいとか、なんとなく自分の理想のアコーディオンを想像してもらったら、あとはもう、実物を見に楽器屋さんにGO!です。思った通りのアコーディオンがあるかも知れないし、思ったより素敵なアコーディオンに出会えるかもしれません。

どのアコーディオンもそれぞれ個性があって皆可愛いです。
…とはいえ、決して安くはない買い物ですので失敗したくないと思うことは当然です。なので、少しでもその助けになれればと思い、今後も発信を続けていきます。アコーディオンをなるべく長く楽しんで欲しいので!

   

今後の目標

2年目からも、まだまだまとめたいことやら発信したいことがたくさんあるので、今後も変わらず引き続き色んな情報を発信していきます。ほかの楽器業界と比べてまだまだのびしろがありまくりな業界だと思います。

新しい目標としては、最近あまり力を入れていなかった演奏技術の鍛錬を頑張っていきたいと思います(思います)。実際音を出してる所も交えて公開出来たらいいな・・と思ってはおりますので、それに備えてね・・頑張ります。

今猛烈にインプット作業をしております。他の業務と並行しての作業なので状況によりアウトプットは不定期になってしまいますが、ユーザー目線を忘れず発信していきたいと思っています。応援いただけたら嬉しいです。

  

長文にも関わらず最後まで読んでいただきありがとうございます。SNS等でイイネやフォロー、その他お気持ちなどいただけるととても励みになります!

よろしくお願いします。

では、また!