音色切替スイッチのはなし①スイッチの役割とは

目次

  • 音色切替スイッチとは何か?
  • アコーディオンの発音体
  • スイッチの役目
  • セット、列笛とは

   

音色切替スイッチとは何か?

アコーディオンの中型~大型機種には必ずついているスイッチがあります。それが「音色切替スイッチ」といわれるボタンです。「メロディースイッチ」「レジスター」、「トーンセレクター」などと呼ばれることもあります。

鍵盤の根元付近のグリルの部に並んでいるボタン、これがメロディースイッチです。

ドットは、リード音域の高低を表しています。真ん中がM(ミドル:中音域)、上がH(ハイ:高音域)、下がL(ロー:低音域)です。 

メーカーや機種によって、そのデザインは様々です。

   

↑ このようにドット表記ではなく、出音のイメージ(バイオリン、クラリネット、バンドネオンなど)が書かれているものもあります。

  

アコーディオンの発音体

アコーディオン発音体は、写真のような「金属のリード」です。それぞれのリードのかたまりによって、音の高さやピッチが異なります。

  

スイッチの役目

このリードの音域の「高さ」と「組み合わせ」を選ぶのが、メロディースイッチの役目です。

基準ピッチは機種や造られた年代などによってそれぞれ異なります。

  

機種によっては、H(ハイ)リードが入ってないものもあります。

M(ミドル)が2個以上あるスイッチは音域が同じピッチが微妙に異なるMリードを同時に鳴らすスイッチになります。わざとピッチをずらすことにより、音に波動ができ、いわゆる哀愁漂う、アコーディオンらしい音色が鳴ります。

ちなみに、MMドットが2つ並んだ場合は、右側のドットの方がピッチの高いリードを指します。

画像7

メロディースイッチの音色表です。チャンバー装置付きのものは、どのリードがチャンバーから音が出されるのか示すために白い〇で表されることが多いです。こちらはエキセルシァー社のものですが、この楽器名の基準は各社異なりますので、あくまで音のイメージという風にお考え下さい。

  

セット、列笛とは

アコーディオンの大きさは大中小と様々ありますが、それはリードボックスの数に比例します。その楽器のスペックを示す際によく用いられる言葉なのですが、下記のようにいくつか呼ばれ方があります。

異なるリードが

・二枚一度に鳴らせる楽器→2セット、二枚リード、二列笛
・三枚一度に鳴らせる楽器→3セット、三枚リード、三列笛
・四枚一度に鳴らせる楽器→4セット、四枚リード、四列笛

と呼ばれます。

  

おおよそ小型アコーディオンのほとんどが二枚リードで、三枚リードは中型、四枚リード以上は大型アコになります。

  

 中型のアコーディオン

  


大型のアコーディオン

   

4セットのアコーディオン一台には標準音程のMリード二枚と、1オクターブ下のLリード一枚、1オクターブ上のHリード一枚が入っています。よってスイッチによってMMトーン、MLトーン、HMトーンをつくることができます。

Hリードがなく、MMMとLの4セットというアコーディオンもあります。その場合はMMMのスイッチが選択でき、音圧と迫力があるひときわ派手な音色のミュゼットトーンが奏でられます。アコーディオンにしかない独特な響きのひとつですね。

     

うまく利用すれば、それだけでもまた表現の幅が広がる音色切替スイッチ。一部の小型機種を除いてほとんどに付いておりますので、よく観察してみて、アコーディオンの多彩さを楽しんでみてくださいね。

では、また!